■議員活動にChatGPTをどう活かすか?初歩からの学び
2025年4月14日、栗東市議会では、市議会DX 推進部会の研修の一環として、全議員を対象にした生成AI活用の研修が開催されました。
社会全体で急速に広がる生成AIの技術を、議会活動にも活かすための第一歩として企画された本研修。
テーマは「地方議会を変革する生成AI活用講座~地方議員がゼロから始めるChatGPT~」。
講師は、早稲田大学デモクラシー創造研究所 事務局次長の青木佑一(一般社団法人Maniken)。
生成AIの基本から議会活用の応用まで幅広い内容が展開されました。

生成AIの基礎知識と実際にさわって会得する演習
研修ではまず、なぜ生成AIのような技術を自治体や議会が活用すべきかを説明。総務省の試算でも、2040年には人口が減少した結果、自治体職員も「8割」の職員数になることが想定されている。翻って、議会でも同じような要請が行われる可能性もあるが、8割の議員数で、活動量や成果も8割になってしまうのを避けるために、この2割をいかにして埋めていくのかが問われる。
それが議会運営をよりよくする議会改革であり、その要には生成AIのような新技術の活用が必要であろう。
つぎにChatGPTとはどのような技術かをわかりやすく解説。
横須賀市などでもアドバイザーとして活躍されている深津貴之氏の定義「手前の文に、確率的にありそうな続きの文字をつなげていくAI」を引用しつつ、AIの特性と限界、そして指示(プロンプト)の工夫の重要性が強調されました。
続いて、実際にChatGPTをタブレットで活用する演習を実施。
栗東市のキャッチコピーを考え、条件付けをするなかで生成されるテキストの質が高まっていく様子や、実際に議会で質問した自身の原稿を改善する演習、さらに自身の関心のあるテーマについて生成AIと対話するなかでテーマ出しや原稿素案を作成する演習などを通して、議員活動の実務に即した活用方法を体験。
質問のブラッシュアップ、議事録作成、ペルソナによる模擬議員間討議、首長botとの模擬質疑、政策立案支援、さらにクリエイティブな活用方法など、生成AIが議会にもたらす可能性が数多く提示されました。



参加者からは「早速6月議会の質問作成に活かしたい」「ChatGPTを使ってみたい」といった声が上がり、好評を博しました。
今後、議会質問の質向上や政策提案力の強化、業務効率化など、生成AIが議員活動の様々な場面で貢献することが期待されます。
今後、今回の研修をきっかけにして栗東市議会で議会改革とデジタル活用の両立に取り組み、市民に開かれた議会を目指してほしいと思います。
【報告】早稲田大学デモクラシー創造研究所 事務局次長 青木佑一