Maniken〜地域経営のためのあたらしいマニフェスト研究所〜

地域経営を担う議会を「指標」で俯瞰してみる

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一般社団法人Maniken
地域経営のためのあたらしいマニフェスト研究所
山内 健輔

Manikenメンバーが活動支援している早稲田大学デモクラシー創造研究所では、「地域経営のための議会改革度調査」を実施しました。調査結果を分析し、取り組みごとに数値化、点数をつけてランキング発表していますので、下記の記事(早稲田大学デモクラシー創造研究所HP)も参照してみてください。

「議会改革度調査」という名称で実施していた調査開始当初の2010年頃は、「議会がどのような活動を行っているのか」という活動自体に着目していたため、調査の回答で多くの選択肢にチェックが入る高得点となり、ランキングでも上位になる傾向がありましたが、その後「議会が活動しても、それが地域の課題を解決したり、地域の未来を創造することにつながっていなければ議会は本来の役割を果たしたとは言えないのではないか」という観点に立ち、今回「地域経営に貢献する議会活動」に着目するようになりました。

そのため、地域の特性を踏まえた上で議会が「縮小」や「廃止」など、ビルドアンドスクラップの提言を行うこと、マニフェストや戦略・計画に基づいた議会活動を実施すること、活動の検証・評価の仕組みを整え、住民に公表していること、議会内部の改革に留まらず、幅広い人材・組織と連携していることなどを重点的に確認しました。

本日「個別データ票」(下のイメージ参照)を、回答してくださった全ての議会にフィードバックしました。

この個別データ票には、総合評価として、得点のほかに総合順位、県内(あるいは都道府内)の議会の中での順位、同じ自治体区分(例えば政令市の中)の議会での順位を明らかにしています。さらに、下記のテーマごとで見たときの順位、満点や平均との差がわかるようになっています。

テーマ①政策力の強化(新しい技術も活用しながら、政策形成・政策提言を議会として行う)
テーマ②主権者の参画(主権者である住民の意見を政策に反映させる仕組みの構築と実践)
テーマ③議会機能の強化(二元代表制の一翼を担う機関として、事務局を含めた議会全体の機能の強化)

また、平均との差をレーダーチャート化。各設問ごとの得点率、平均得点率、最高得点率を横棒グラフで示しています。研究所としてどの設問をより重視して点数をつけたか、ということを合わせて記載しています。

この個別データ票は「一方的に評価して終わり」ではなく、これをきっかけとして、議会それぞれの次なる一手として活用していただきたいと考えています。すでに改革に着手している議会にとっては、次のステップを見定めるための「道標」として。これから改革を始めようとしている議会にとっては、目指すべき「ベンチマーク」を見つけるための参考としてぜひご活用ください。

近年、さまざまな取り組みを実践している議会は着実に前進しており、その動きは年々パワーアップしています。一方で、まだ十分に取り組みが進んでいない議会も多くありその差が広がってきていると感じます。

今回の個別データ票は、研究所による第三者の視点からの、あくまで一つの指標に過ぎません。ですが、内側からだけでは気づきにくい視点や課題が浮かび上がることもありますから、「次の行動を導くヒント」として各議会でご活用いただければ幸いです。
私たちはこれからも、各地の議会が地域経営の担い手として進化し続けるための支援を続けてまいります。

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