「職員に政策立案や提言をしてもらっても、結局、それが実現することって難しいし、ほぼ無いんですよね」という話をよく聞くんですよね。
アイデアや内容が良くても、それが組織の本ラインに乗って実際に動いていくには、いくつものハードルや組織の事情があったりします。そういうのをわかっているはずなのに、「若手職員による政策立案研修」を実施して、最後に首長の前でプレゼンし、首長から「良かった」という言葉は出るが、その後、何も動かず消えていく・・というパターンはよく聞きます。
これでは、職員さんも「勉強にはなったかもしれないが『やりがい』は得られないだろうなぁ」と思います。
昨日、徳島県鳴門市役所で今年度の開講式がありました。
今年で2年目の取組です。ちなみに、昨年度の2件はどちらも今年度実現します!
昨日も開講式終了後に昨年度の参加者が挨拶に来てくれ、とても喜んでいました(^^)
どうして、鳴門市役所はそのようになるのでしょうか?
それは、政策立案研修が単なる研修として走らせているのではなく、絶えず組織の現状や経営層の意向とすり合わせをしながら進めているからです。
通常は、前述のように「研修担当課が職員研修として実施し最後に首長へプレゼンして終わり。ここまでが研修の一環」になっていますが、本当に動かそうと思えば、進捗状況の途中で、絶えず、組織のキーマンや首長とも情報を共有し、意見を聞きながら進めていき、常に組織と一体となっていることが鍵です。そうしたキーマンに賛同いただくためには、住民ニーズやエビデンスと言った根拠の下調べもきちんとやっておく必要があります。
参加する職員さん達は、普段は自分の担当する日常業務をしていますから忙しいです。しかも、自分の業務だけだと、そこしか考えなくていいのですが、政策立案ともなると社会や地域の事、組織の事、予算や人事の事等々、普段考えないことや調べなければならないこと、視点を大きく持つこと等、結構負担も大きく大変です。
しかし、せっかく政策立案できる機会を得ているのですから、それが「やってよかった」となれば、終わった後の「やりがい感」や「仕事へのモチベーション」は高まり、大きく成長していきます。
鳴門市役所は、そういうことを狙っていますから、人事課から私のところへしょっちゅう連絡がきます(いい意味で本当に頻繁に)。リアルとオンラインとを繰り返しながら対話し、私も常に参加している職員さんと一緒に走っている感覚です。人事課は、私の様な外部者を上手く使っていると思います(笑)
昨年度は、8月スタート3月終了というスケジュールで動きましたが、泉理彦市長が「当初予算編成前に終わらせたい」ということで今年度は5月~10月と日程が前倒しになりました。市長の本気度もここから伺えます。
今年は始まったばかりですが、昨日、今年度参加する職員さんと話をしていて、今から楽しみになっています(^^)
