―1年生のうちから“公務”を身近に感じる機会に―
2025年6月12日、大正大学地域創生学部 公共政策学科の1年生を対象に、「公務員を語る 公務を語る」と題した特別授業を行いました。
この授業は、学生の皆さんが“公務”や“公務員”という存在をより身近に捉え、実際に働く職員の声に触れることで、将来の進路や公共への理解を深めてもらうことを目的に企画されました。
担当:青木佑一/山内健輔
現場の声を届ける特別ゲスト
今回の授業には、3名の現職公務員の方々をゲストにお招きしました。
- 関 柾彦さん(東京都昭島市企画部/法務担当)
- 髙井 千春さん(中野区職員課/採用担当)
- 伊藤 華恋さん(中野区中部すこやか福祉センター/福祉職)
それぞれ異なる分野・経歴をもつお三方から、「なぜ公務員を選んだのか」「どんな仕事をしているのか」「どんなやりがいがあるのか」などを語っていただきました。
ワークライフバランスや部署異動の多様性、現場で感じる喜びや悩みなど、生の声ならではの話に学生たちも熱心に耳を傾けていました。

公務ってなんだろう?から始まる2時間
授業は、アイスブレイクとグループワークでスタート。
「あなたにとって公務とは?」「身の回りの“公共”って?」といった問いから、公務員のイメージや疑問をグループで出し合い、ゲストに聞いてみたいことを考えました。
その後、3名のゲストスピーカーによるプレゼンテーション、そして後半は学生からの質問に答えるトークセッションを実施。
「残業って多いの?」「公務員って本当に安定してるの?」「この仕事をしていてつらかったことは?」といった率直な質問にも、ゲストの皆さんは誠実に、時にユーモアを交えながら答えてくれました。




学生の声から見える“変化”
授業後に実施した「振り返りシート」には、素直で前向きな感想が多く寄せられました。
以下に一部を紹介します。
- 「公務員のイメージが少し変わった。とても楽しそうだと思った」
- 「あまり興味がなかったけれど、環境ややりがいの話を聞いて少し考えてみようかなと思った」
- 「公務員ってブラックな印象があったけど、休みもとれてやりがいもあると聞いて驚いた」
- 「やりがいを感じられる仕事なら、公務員も視野に入れていいのかもと思った」
- 「今日の話をきっかけに、自分でももっと調べてみたいと思えた」
また、「授業前」と「授業後」の”公務員志望度”を1~5点で聞いてみたのですが、
授業前には平均2.96ポイントだったものが、授業後には平均3.72ポイントと、約0.8ポイント上昇していました。
こうした声や結果からも、1年生という早い時期に“公”と出会うことの意義が垣間見えます。
公務員が「選ばれない仕事」にならないために
今、公務員は“選ばれにくい仕事”になりつつあると言われています。
採用数が減るなかで、安定志向だけではなく、やりがいや多様な働き方へのニーズに応えられるかどうかが問われているのかもしれません。
だからこそ、大学1年生のうちから公務や公共の世界に触れ、実際に働いている人の声を聞く――そうした機会をもっと広げていくことが、未来の人材を育てる第一歩になるのではないでしょうか。
今回の授業を通じて、学生たちの表情や言葉から、公務に対する「関心」や「親しみ」が確実に芽生えていたように感じました。
ぜひ、他の大学や自治体においても、こうした「生の声に触れる」プログラムが広がっていくことを願っています。

