
「地方議会を変革する生成AI活用研修会 〜地方議員がゼロから始めるChatGPT〜」と題した研修会が、2025年6月17日に島根県浜田市役所で開催されました。
浜田市議会は、全国の議会改革度調査で全国2位にランクインするなど、先進的な取り組みを行ってきた議会です。議員と事務局職員ともに、生成AIのような新しいものごとをしっかり学んでいこうという前向きな姿勢は、今回の生成AI研修でも存分に感じられました。
議会改革を支える生成AI
今回の研修には、浜田市議会の議員21名が参加。研修では、私・青木佑一(早稲田大学デモクラシー創造研究所 事務局次長)と、西川裕也氏(同研究所 招聘研究員)が講師を務めました。
研修のねらいは、単に新しいツールを学ぶことではありません。
まさに「議会力の向上」を目指して、
- 議員の質問作成や政策立案の効率化
- 執行部答弁予測を通じた質問効果の向上
- 多様な意見の提示・議論での漏れの確認
といった、議会力を向上させる実践的な使い方を体験してもらうことが狙いでした。
実践重視の演習

当日は、実際に生成AI(主にChatGPT)を操作しながら、
- 浜田市のキャッチコピーを考える
- 興味のあるテーマについて原稿の素案を作成する
- 議会質問のブラッシュアップ
- ペルソナを設定して模擬議員間討議を行う
などの演習を行いました。
chatGPTとはなにか?
「手前の文に、確率的にありそうな続きの文字をつなげていく」(深津貴之氏)という基本のキをお伝えしたうえで、
「条件を詳しく指示するほど、生成される文章の質が上がる」というポイントを体感していただき、自由に触っていただくなかで、議員のみなさんも「なるほど!」と頷きながら熱心に取り組んでくださったのが印象的でした。
研修を通して感じたこと
研修を進める中で強く感じたのは、浜田市議会のみなさんの前向きさと探究心です。全国トップクラスの議会改革度を誇る背景には、こうした姿勢があるのだと改めて実感しました。
また、参加者からは
- 「生成AIを使うと質問づくりに使えたり、アイデア出しの幅が広がる」
- 「質問立案の試行をしてみたが、自分が執行部にした質問と一緒だった」
- 「さっそく6月定例会議の質問づくりにも生かせそうだ」
といった声が上がり、議員の皆さんが自分たちの活動にどう活かせるかを真剣に考えてくださっているのが伝わってきました。
これからの浜田市議会に期待
浜田市議会では今後、生成AIを活用した議会事務局業務の改善も検討しているようです。
ツール先行ではなく、あくまで「議員の考え、主張、視察や研究で学んだこと」があり、それを増幅するもの、「人間の力を拡張するもの」として生成AIを捉え、対話を大事にする姿勢を持ちながら、議会改革を進めていく浜田市議会の皆さんを、これからもフォローしていきたいと思います。
改めて、浜田市議会の皆さん、事務局の皆さん、研修にご参加いただきありがとうございました!

参考リンク
浜田市議会 議員研修会(市公式)
https://www.city.hamada.shimane.jp/www/gikai/contents/1750213203191/index.html