Maniken〜地域経営のためのあたらしいマニフェスト研究所〜

“情報”と”思い”を共有してみんなで進める-「地域経営講座」開催レポート

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一般社団法人Maniken
地域経営のためのあたらしいマニフェスト研究所
山内 健輔

8月5日「再起動」をテーマに、財政・公共施設・地域コミュニティの3つの側面でゲストを招き、「地域経営講座」を開催しました。
この講座は、100名の会場定員が満員になるほど盛況で、首長・副首長、議員や市民など、地域経営を担う幅広い皆さんにお越しいただきました。

第一部では、裾野市の村田 悠 市長にご登壇いただき、『「財政」の再起動 〜財政非常事態宣言からの復活のコツ〜』と題して、財政非常事態宣言(令和3年発出)の解除に至るまでの取り組みについて講演いただきました。財政非常事態宣言の目的は財政調整基金の活動を維持することでしたが、村田市長は、財政非常事態宣言の解除に向けて、「財政調整基金の最低残高10億円」と「実質債務比率13%以下」という2つの指標を設定し、市民と共有し、15年間の財政見通しと公共施設整備計画を策定していきます。また、村田市長は裾野市の企業誘致の強化、教育、子育て支援、窓口サービス向上などの取り組みについて報告してくださいました。

第二部は、元小美玉市職員でNakamasagas代表の中本 正樹さんにご登壇いただき、『「公共施設」の再起動 〜ガランとしたホールが住民活動の拠点に〜』と題して、中本さんが取り組んだ小美玉市の文化施設「みの〜れ」の実践事例についてのご講演でした。、みの〜れを例に、住民が主体となった活動、プロジェクトがどのように動き出したか?住民参加から参画へ、参画から主体へ、という段階をどのように経ていくのか?住民主体の活動に行政はどのように関わっていくのが良いか?という視点を中心に「対話」をキーコンセプトにした実践例を紹介してくださいました。要求ばかりの「くれくれ」市民ではなく、まちづくりを自律的行っていく小美玉市の住民の皆さんの活動を理論的に・実践的に、丁寧に紐解きながら住民主体の制度改革のヒントを貰いました。

最後は、「17歳の高校生自治会長」として注目を集めた鹿児島県唐湊山の手町内会の元会長、金子 陽飛さんによる『「コミュニティ」の再起動 〜17歳の町内会長が見た住民自治〜』でした。町内会の役員の担い手不足や、加入率の低下などが各地で問題になっている中、高校生(当時)で町内会長に手を挙げた金子さん。住民が持っている力や特技を少しずつ繋ぎ合わせていく「パズルピース型」の活動を展開し、無理なく・ちょっとずつ、活動していく手法でコミュニティの再起動に取り組みました。同時に「魂や思い」を引き継いでいく「遺伝子継承型」の活動も展開しました。これまで積み上げてきた伝統を継承しつつ、魂を引き継いで新しいアイディアや発想もできないか?ということを常に住民とともに対話して考えてきました。町内会活動をモジュール化(可視化)し、仕事が特定の人に属人化しないような工夫なども伺いました。

3つの事例ともに共通するのは、「やっている当事者にしかわからない状況」を減らし、「情報や思いを共有する人」を増やす、という点だったように感じます。市役所や町内会という特定の人や場所、外から見えづらい情報や状況を可視化していくこと、可視化したら今ある状態にプラスの価値提供をしてくれる人々が自律的に集まって、自律的に活動が始まっていくこと。それをサポートしていく行政が存在すること。その土台に対話を促す工夫を凝らすこと。こうしたまちづくりの姿が、3つの異なる事例から共通点として見出せたように思います。

今回の講座でも満足度が9割近くと多くの方に満足していただけたようです(参加者アンケートから)。
今後も、地域経営講座を開催してまいりますので、ぜひご参加ください。

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