Maniken〜地域経営のためのあたらしいマニフェスト研究所〜

「議会改革の現在地点」について発表しました(全国地方議会サミット発表報告②〜議会としてのシティズンシップ推進〜)

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一般社団法人Maniken
地域経営のためのあたらしいマニフェスト研究所
山内 健輔

前回の記事「生成AI利用」に引き続き、地方議会サミットで発表した「議会改革の現在地点」今回は「議会としてのシティズンシップ推進」について報告します。前回の記事は下記からご覧いただけます。

取り組みはこの1〜2年で増加している

設問の問いが異なるため、単純な比較には注意が必要ですが、2023年と2024年の2年でシティズンシップに関して「何もしていない議会が半分に減った」ということが確かに言えます。上記の図で「いずれの取り組みも実績がない」と回答した議会は2023年から2024年にかけて875議会から417議会へと減少しています。

こちらの図は模擬議会に関しての問いです。2023年調査では、234議会(模擬投票や模擬請願も含む)が、2024年調査では模擬議会だけで318議会へと増加しています。

背景に、3議長会(都道府県議会議長会、市議会議長会、町村議会議長会)が議会としてのシティズンシップ推進に力を入れて取り組みを行なっていることや、こども基本法の制定によって子ども・若者の意見創出・反映の努力義務が自治体に生じたことから、議会としても力を入れるべきとの考えが広がっていることが考えられます。

一方、「模擬」議会であることから、参加した生徒などが意見を発表するだけの場となってしまい「言いっぱなし」になっているケースや、生徒などが「お客様」、議員が「お世話係」になってしまっているケースなどが見受けられます。

l出された意⾒を検討する会議体を議会として設けている 45議会
l出た意⾒に対して議会としてフィードバックをしている 90議会
l出た意⾒が政策等に反映された(2024年に限定しません)106 議会

上記のように、「言いっぱなし」にしない工夫を議会として行なっている事例も少数ながら見受けられます。議会→子ども・若者への「主権者”教育”」という一方向・上から目線の言葉ではなく、市民意識をともに推進していく対等な関係として、「議会としてのシティズンシップ推進」を目指していくことが重要です。模擬議会の取り組みをその場限りの発表会で終わらせず、議会の仕組みへと昇華させる取り組みが不可欠です。

次回は各地で試行錯誤されている「広聴と広報」の取り組みについて取り上げたいと思います。

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