Maniken〜地域経営のためのあたらしいマニフェスト研究所〜

議会事務にAIを活用するー会議録作成の事例ー

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一般社団法人Maniken
地域経営のためのあたらしいマニフェスト研究所
山内 健輔

2026年7月15日、市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)において、「地方議会を変革する生成AIの活用―島根県浜田市議会事務局での実践を踏まえて―」と題した研修を実施しました(講師:早稲田大学デモクラシー創造研究所招聘研究員 西川裕也/山内健輔)。

今回の研修では、地方議会の実務において、生成AIをどのように活用できるのかを、受講者の皆さん(議会職員)に体験していただきました。

生成AIを「とても優秀な新人職員」と考える

研修の前半では、生成AIの基本的な仕組みや特徴を確認しました。

生成AIを人に例えるなら、「とても賢く、人当たりがよく、文句も言わない新人職員」です。一方で、内部のルールや過去の経緯、その議会特有の書式などは、あらかじめ説明しておかなければ理解することができません。それは生成AIも同じです。生成AIでよい回答を得るためには、単に「文章を作ってください」と頼むのではなく、役割、対象者、盛り込む内容、文章のトーン、長さなどを具体的に伝える必要があります。

また、生成AIは「確率的にありそうな回答」を作る仕組みであり、もっともらしい内容であっても、必ずしも正しいとは限りません。ハルシネーション(幻覚)を防ぐ工夫とともに、最後は必ず人間の目でチェックすることを確認しました。

研修の前半では、
具体的に指示する」
「参照してほしい背景情報を与える
「複雑な作業は段階的に指示する
という、生成AIを活用する際の基本を、文章生成、広報用の一般質問要約などの演習を通じてお伝えしました。

浜田市議会事務局の実践を研修プログラムに

研修の後半では、島根県浜田市議会事務局における、生成AIを活用した委員会会議録作成の事例を取り上げました。

音声を文字起こしするだけでは、議会特有の書式や言い回し、公文書としての表記ルールまでは整いません。そこで、過去の会議録や会議資料、公文書の作成ルールなどを生成AIに参照させ、複数の段階に分けて文章を整える方法を構築しました。
その結果、会議録の作成時間は、従来の丸2日から半日程度へと短縮され、削減された時間を議員支援や政策立案支援など、より時間をかけるべき業務に振り向けられるようになったというのが浜田市議会の事例でした(この取り組みはこちらで詳しくレポートしていますので、ご参照ください)。

今回の研修は、この浜田市議会での実践を、受講者が実際に体験できるプログラムとして再構成したものです。

文字起こしから会議録を作る

演習では、実際の議会実務に近い形で、次の資料を使用しました。

  • 過去の会議録サンプル
  • 公文書の書き方に関するルール
  • 会議の文字起こしデータ
  • 会議資料
  • 委員名簿

まず、過去の会議録と公文書のルールを生成AIに読み込ませ、議会における書式、言い回し、発言者の表示方法、議題の示し方などをAIに把握させます。

その後、文字起こしデータ、会議資料、委員名簿を追加し、話し言葉を書き言葉に整える、不要な言葉を削除する、発言者や議題を明確にする、固有名詞や数値を資料と照合し誤字を防ぐようにするといった条件を指定しました。

さらに、「です・ます調」を「である調」に変更する、アルファベットの表記を統一するなど、公文書としての最終的な表現を整えていきました。

一度にすべての作業を指示するのではなく、

  1. 会議録のルールを理解させる
  2. 文字起こしを会議録の形に整える
  3. 文体や表記を仕上げる

というように工程を分けることが、安定した結果を得るためのポイントです。

まずは実際に触れてみる

今回の研修では、生成AIを使い慣れていない方にも、実際に入力し、回答を確認し、プロンプト(指示)を追加しながら文章を整えていただきました。

生成AIはまず触ってみて動かしてみることが、理解への近道です。
実際に使ってみることで、
「この作業なら任せられそうだ」
「この資料を与えると精度が上がる」
「ここは人間が確認しなければならない」といった、AIを実務で使う感覚が見えてきます。

会議録の作成だけでなく、様々な業務の効率化に生成AIを活用するきっかけになれば幸いです。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

▼効率化に加え、政策力強化に向けた活用方法はこちらの記事もご参照ください。

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